夜空にランプ



「ふーん、ひょっとしてお前りゅうちゃんのこと…」


「は、ちがっ!念のため、芽衣子のためにちょっとさぐりを、ね」


「……なるほどね」



多くは言わないでおいたが、塚田君はすぐ納得したようで、芽衣子達を遠巻きに見やると静かに頷いた。



「ギャップといえばさ、塚田君だってなかなかだよね。いつもはクールキャラなのに、手が器用でかわいい絵も書けて。ちょんまげだってかわいいし」


ちょんまげというワードに引っかかったのか、睨まれた。

切れ長い瞳で睨まれると、切れ味に凄みを増して怖い。



「…、ほめてるんだけどなぁ~」


「まったく、どんだけちょんまげ好きなんだよ」



彼は呆れたように、でも少し照れたようにも見える苦い顔をしながら、コツンと軽く拳で私の頭をこづき、自分の席に戻っていった。