ノートで頭を叩くふりをして、塚田君が見事にかわす。
「でも、りゅうちゃんと荒井っていつの間にあんなに仲よくなったんだ?」
「あ~…、いつからだろう」
移動するにも最近はよく隣に大場君もいる。
以前から女子と行動を共にしていることが普通だったから、私達の中にいても違和感はなかった。
「でもお似合いだよね。念のため聞くけど…」
私は声を潜め、片手で口を隠して塚田君の耳元に近づける。
「大場君はおネエじゃないよね」
「くっくっく、あははは!それはぜってーないわ。あいつ趣味とか見た目とか乙女かもしんねーけど、俺より男っぽいし。空手の有段者でもあるぜ」
「ええー、意外!そのギャップにやられちゃんだろうねー」



