「「かわいい!!」」
芽衣子と大場君が声を揃える。
出来上がった似顔絵はほんわかした雰囲気で、漫画に出てくる、ギャグシーンの一コマのようなタッチで書かれている。
でも私だけどうもかわいいというより、コミカルなタッチ。
目だって二人ともくりっと小動物のようにかいているのに、私のはただの点で雑。
「似てない…」
むすっとノートを塚田君につき返す。
「文句言うなよ。あ、そうそう大事なもの忘れてた」
急いで書き足したものは、耳とヒゲ。
「はあ~?何でよ」
「そりゃあ、こぐまだから」
「もう人じゃないじゃん。塚田君のも書いてあげるし」
似てないことにちょとイラっとしたけど、内心そんな時間も楽しいと感じていた。



