夜空にランプ



私が教室に戻ってくる可能性は十分ある。

それでも、何もなかったかのようにしでかすであろう、“嫌がらせ”。




でも、もう一つの可能性をあの人達は考えるであろうか…。

そしてあっち側の『何もしない』という可能性だってある。



いずれにせよ、もう決めたこと。



私はそこに全てを賭けた。



手に伝わる携帯の振動と同時に立ち上がり、メールの文字を確認し、すばやくでも、しっかり深呼吸をして、一気に階段を駆け下り全速で教室に向かった。





もう振り返らない。


絶対に。




バンッ!




勢いよくドアを開けると、目に飛び込んできたのは、私の机の上で教科書を引き裂いている三人だった。