顔を上げられないままそう言うと、僅かに声を落とした彼の言葉が続く。
「一人が平気な人にわかんないよって言ったろ?正直びくっとした。確かに一人でいること多いから、慣れちゃってるときもある。でも、一人が好きな訳じゃねー。それは、ちゃんと言いたいかな。本当はすげー人見知りで、一人でぼーっとしてる俺に構わず声かけてきたのがりゅうちゃんでさ。それなかったら多分、学校本当に来てなかったと思う」
ゆっくり顔を上げると、片方の口角だけ上げてにっと笑う彼がいた。
私が初めて見た塚田君の笑い方。
知っていること知らないことが混在する。
その笑い方一つで、ぎゅっと合わさって、ドキンって胸が鳴る。
心地よい残響つきで。
「私も、一人は楽だけど寂しい。すごく、寂しい…。もう、嫌だよ…」
「この間のも、今のも、熊谷の本音だよな?」



