ハッとして音のする頭上を見上げた。
そこには赤い屋根から突き出た小さい窓を開ける塚田君がいた。
「今ドア開けるからちょっと待ってて」
「え、え、あの」
返事を待たずに彼はすぐにその場を離れ、中からドタバタと足音が聞こえた。
(わわわわ~、どうしよう。いざとなったら顔合わせづらい!)
店の中に入るとカフェスペースに通され、いつも以上に緊張しながら座った。
リンコさんは地域の手芸教室の手伝いに出ているらしく、気まずい雰囲気の中の二人きり。
BGMもない静まり返った店内で、お湯を注ぐ音が目立つ。
休みだけあってか、今日の塚田君はボサボサ頭で、“お店向け”ではない。
それに、ペンキのついたエプロンをしている。



