「何でみんないないの?」 リュックを机脇に掛けると、机に腕を伸ばし寝そべりながら言った。 やけに眠たそうなくぐもった声。 「何でって、移動教室だから?」 (そんなことか~) と、拍子抜けしてちょっとほっとしながら答えた。 「あー、そっかそっか」 そう頷きながら机に突っ伏す。 すっかり寝るモードへ。 (は?寝ちゃうわけ?意味わかんない…) 彼のいる席は窓側の後ろから二つ目の、これまた日当たり抜群の場所だった。