私は反射的にすかさず身構えてしまい、教室のドアから後ずさりした。
(えええっ?、教室にくるの?来ちゃう感じ?だ、誰っ!?)
もうクラスのみんなは理科室に移動したはずだ。
ただでさえクラスの人と話すことなんてないのに、こんな静かな教室で誰かと鉢合わせるなんて、気まずくてやってられない。
どうすることもできず、びくびくしていると、足音が止まったと同時に、私の目の前に見慣れない顔をした男子が現れた。
(あっ…)
見覚えは、ある。
だけど、首を傾げて”同じクラスだったっけ?“と思わずにいられないほど、滅多に学校に来ない、もしくはかなり遅刻して登校してきたりすぐ早退する、謎多き男子生徒。



