夜空にランプ



「もう、いいよ!」


ゴトンッ




さっきからだんまりだった芽衣子が、突如荒げるようにそう叫んだのは、私が次のゴミ箱の蓋を取ろうとした時だった。

そんな大きな声を聞くのは久しぶりだっただけに、驚いてゴミ箱の蓋を落としてしまった。


「ちーちゃんまだ着替えてないじゃん。私は今日具合悪いとか言って、保健室にいるよ。先生にはそう言っておいて」


そう言い終えると、背を向け本当に保健室がある方へとさっさと歩き出してしまった。


「ちょっと、芽衣子!」


いつもはそんな突き放すようなことなんて言わないのに。

私は慌てて追いかけようとした。


「早く行かないと授業遅れちゃうよ!…探してくれて、ありがと」


足を止め、最後に振り向いた芽衣子は、柔らかい笑顔を見せた。

あの綿雲のようないつもの笑顔。



芽衣子がその場から去るのと同時に、悔しさだけではないやるせない思いに、下唇を噛み、私も走って教室に戻った。