母親が会計を済ましに行くと、女の子はぬいぐるみを持ったまま、私のいる椅子までやってきて隣に座った。
すると今度は脇の小さな本棚から絵本を一冊取り出し、きちんと椅子に座って読み始めるのだった。
しかも、ぬいぐるみはちゃんと胸に抱えたまま。
そして母親に呼ばれ慌てて帰って行った。
最後、ぬいぐるみを離すのにちょっと拒んでいたけど、ちゃんと塚田君の手に戻していた。
(よっぽど気に入ってたんだろうな…あ、これ)
女の子がさっき読んでいた絵本は、小さい頃自分も読んだことのあるものだと気づいた。
女の子と自分の小さい頃を重ねた。
(私にも、あんな頃があったはずだけど…)



