「は?電話番号てか、アドレスまで!やっぱり有紗も」
「消そう!急がなきゃ予鈴鳴る」
芽衣子は黙って黒板中に書き殴られた字を消していく。
一言も話さず、ひたすら黙々と素早く。
勝手な噂だけでなく、【死ね ブス 腹黒 消えろ キモ】と言ったことも沢山書かれてあり、消す度に胸がズキズキした。
芽衣子の気持ちを考えると、私は容易く声をかけられなかった。
私達は髪の毛も制服もチョークの粉だらけ。
芽衣子が最後の字を消し終わると同時に予鈴が鳴った。
この日、初めて芽衣子とちゃんとした会話という会話をしないまま帰宅してしまった。
先に帰ると言い出したのは芽衣子の方だった。



