「こっちー!パスパス、ちょっ、どこやってんのー」


「ごめーん」


「今チャンスチャンス!」


「きゃー、待って待って、どっち?そっち?」


「はい!パス!」





木枯らしが吹きすさぶグランド。

そんな寒い中でも、一際はしゃぐ声達が目立って響く。


全くやる気がないわけではないが、積極的に行動する性格ではない私と芽衣子は、みんなの一番後ろから適当にサッカーボールを追いかけていた。

寒さも加わって余計に動きは鈍くなる。



ボールに触ることなんて滅多にない。

だいたいいつもギャルグループが占領しているし、パスが回ってくることは有り得なかった。



一応先生の目もあることから、参加している振りはしていた。