その中の一つ、白を基調とし、花の形に編まれたのが印象的なバレッタを手に取って、じっくり眺めた。
(これも、ハンドメイドなんだよね、どうやって編むんだろうな。難しそう…)
と、感心しきっているところに、「いらっしゃいませ」と、はきはきした男性の声がした。
ぱっと振り返ると、店員兼作家の、塚田君がにっこりと爽やかな笑顔を向けている。
わかってはいても、やっぱりここにいる時の塚田君には戸惑う。
「き、来ました。へへ」
「おう。ゆっくりしてって」
(ひー、まともに話せない!)
手に持っていた商品を一度棚に戻し、時間を稼ぐように間を埋めるように、極力ゆっくりした動作で、店内をじっくり見ていることに専念した。



