「それじゃ、私は店番があるから。ゆっくりしていって」 私の肩をポンポンと叩き、返事は聞かずにリンコさんは鼻歌を歌って軽いステップまで踏みながら雑貨屋のほうへ戻っていった。 なぜご機嫌なのかよくわからないけど、歳を感じさせない愛嬌はとても和まされる。 でも、アトリエの扉の前で一人取り残されてしまった今の私は、不安ばかりが傍にあった。 扉の向こうからは何も聞こえてこない。 一体どんな作業をしているんだろう。