冷えた手を息で暖めながら、さっさと歩いた。 「…うん」 後ろから芽衣子の細く小さな声が聞こえた。 言いたいことがあるのに、それが上手く言葉にならなくて苛立つ。 それだけじゃない。 やたらと澄み渡った空は、本来なら心を洗ってくれるはずだけど、今の私には逆効果。 こんがらがった気持ちは、そんな澄んだ空だけではまっすぐにならない。 むしろ気分を悪くする対象物だ。 できることなら、コンテストに出したばっかりの写真を今すぐ戻し、ぐしゃぐしゃにしたいとさえ思う。