「空の写真だよ。朝焼けの」 「じゃあ、私が夕焼けでちーちゃんが朝焼けだね」 「うん。なんか、空ってずるい気する」 「え…?」 私は独り言のようにぼそっと呟くと、ぐっと力いっぱい空に向けて伸ばした手のひらを、今度は空を握りつぶすかのように握りこぶしを作っていた。 隣で不思議そうな顔の芽衣子。 「空、天候とか実際撮るのは難しいけど、選ぶのは楽じゃん。本当に撮りたかったわけじゃない気がするし、だから、なんかね…。あーもー寒い!早く戻ろうっ」