もちろんこれまで、そんな目をした有紗を見たことがなかったし、私も彼女に見せたことはなかった。 その場に芽衣子がいなかったことも、ひょっとしたら関係していただろうか。 自分でもまさか、そこまで酷い目つきを有紗にするなんて思わなかった。 本当に反射的だった。 多分どこかに意地があったからかもしれない。 どんなに先が見えなくても、友達関係を諦めた訳では決してなかったのだから。