「いえ…あっ」 バサッ 弱々しく答えながら、アルバムを棚に戻そうとした時、ちょっと高めの位置にあったこともあり、誤ってアルバムを落としてしまった。 私が拾うより先に玉城先輩が拾いあげ、さっと棚に戻してくれた。 「ありがとうございます」 「いーえ」 玉城先輩は私を見下ろし、微笑みながら当たり前のようにポンポンと私の頭を軽く叩いた。 それは初めてのことで、一瞬意識が飛びそうになった。 いくら目当てではないにしろ、二人きりという状況でそんなことされたら思わず勘違いしそうになる。