少しでも緊張を解きほぐそうと、教室に入る前に静かに呼吸を整えた。 「ちーちゃん、おはよう」 いつも真っ先に声を掛けてくれる芽衣子。 無邪気に私の席に駆け寄った。 「おはよっ最近寒いねー」 「もうマフラーがないとダメだね、ちーちゃんのそのマフラー似合ってるよね」 「そっかな?へへへ」 「私も新しくしようかな~」 芽衣子のふにゃっと柔らかい笑みは本当に心を和ませる。 私はキョロキョロと教室中を見渡した。 ギャル達の姿が見当たらないことに胸をなで下ろしつつ、有紗の姿もないことに気づく。