夕飯もそうだった。 久しく母の料理を口にしていない。 “母が作ったお弁当” それだけで沈んでいた心が救われる思いだった。 学校へと続く、狭い通学路。 ここ最近は菫は彼氏と登校しているため、他の生徒が賑やかに話している中、一人黙々と歩いた。 学校に近づくごと、早鐘が打つ。 (普通にしていればいい。普通に) そう自分に言い聞かせた。