鈍くこだまするからかう声。
起きたら制服に着替えるという、毎日の機械的な動作は、スローモードになる。
このスローモードへの切り替えスイッチは何度目だろう…。
制服を着たら次は平然を装うスイッチへ。
冷めた空気は晒しだされた脚に一際寒さを与える。
1階に降りてリビングに行くと、珍しい光景を目にした。
いつもは自分で冷凍食品ばかりを詰め込んだお弁当を持って行っていたが、今日は休暇を取ったという母が、お弁当を作ってくれていたのだ。
過去にいつ母がお弁当を作ってくれたかを遡ると、とても懐かしくなるくらい前だ。



