夜空にランプ




まだドキドキしていた。


偶然立ち寄っただけのお店はすごく素敵な雑貨屋さんで、初めて来たのにどこか懐かしく、居心地の良いお気に入りのお店に思った。

そこには塚田君が働いていて、学校で見る姿とは全然違った。

帰りも送ってもらうことになって…。




頭の中で順序よく整理しようとすると、胸が落ち着かなくなった。


耳に残る静さに優しく響いた彼の声。



(あ、そういえば私の名前。知っててくれたんだ)



思い出したように後ろを振り返る。

もう彼の姿はなかったけど、名前を知っていてくれたことに、また胸の中をほっこりさせた。