「熊谷の家、どこ?」 「多分、この道の裏側の道だと思う」 そう言うと、塚田君はすたすたと先を歩き始めた。 急いで私は後を着いていく。 黙って歩いていると、理科室まで二人で歩いた時のことを思い出した。 (あの時は私の後を塚田君がついて来たんだっけ) お互い何もしゃべらないままで。 今日もそう。 たわいもない言葉の一つ探せないままだ。