「だから、気にしないでください」
永倉さん以外の人に疑われるのは辛いけど、と言うと
再び、頭の上に手が置かれた。
そして数回、手で髪を梳かれる。
「目は……治る可能性はある」
「…はい」
私は言われたことに頷く。
「俺も…協力する」
「え?」
「何かあったら言ってくれ。何もできないかもしれないが……吐き出すだけでも楽になるだろう。そうすれば、目も、少しは治るかもしれない」
私の髪を触る手付きは、とても優しい。
そのことから、永倉さんは本心から言ってくれたのだと分かった。
だから
「はい」
返事をするとき、自然と笑みがこぼれた。