新学期。 俺はジャージではなく、スーツを着て家を出る。 「はぁ…俺、ちゃんとやれるかな。」 フロントガラスは、寒さで凍りかけていた。 ワイパーは、激しい音を立てて、半円を描く。 直とエッチをした。 あれから、学校で会うのは初めてだった。 クラスが違うとは言え、今までもアイツはどこかしこに現れて、 俺をドキドキさせていた。 俺はどんな顔で「おはよう」を言えば良い? 幸せな悩みか・・・これは。 直に別れを告げた後の俺も、同じことを考えていた。 …どんな顔で直に挨拶をしようかって。