【翔太】




「下の名前で呼んだりしたくね?」




「たしかに」




夏休みに入り、今は部活の休み時間中



拓哉先輩と校庭に置いてるベンチに座って話していた。




「小山春…今日学校来てますかねぇ」



「吹奏楽が部活やってるから来てるんじゃない?」




レギュラーが決まった日から、俺は毎日基本練習の前の15分のアップ時間、階段を往復していた。



「思ったんだけどさぁ」



「なんすか?」



「翔太っていっつもアップ時間、階段行くよな」



拓哉先輩を小山に会わせない。



俺だけの階段だから



「気になる…」




拓哉先輩は顎に手をあて、ベタな考えポーズで考えていた