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(いつか…なんて無かった。)

私は真っ白な雪を睨んだ。
いくら睨んでも雪はピンクには変わらない。

「約束したのに…。」

呟いた言葉は雪の中に消えるだけだった。

いつか一緒に桜を見ようって言ったのに…。
まだ暖かさが残っているのに…。


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(夢…?)

泣きながら目を覚ます。
いつもは幸せな夢なのに。
夢の中の女の子も泣いていた。

(どうしてなんだろう…。)

夢だからそこまでは覚えていない。
だけど、解るのは、それで私が雪が嫌いになったという事。
それから、昔、雪の降る中で、大切な人を失くしたという事。

思い出すだけで気持ちが悪くなった。

ピーンポーンッ

夢で雪が降った日は現実も雪。
春野君のいつものお迎えの音がする。

だけど。

今日は行けそうにない。
気持ち悪さが止まらない。


結局何とか力を振り絞って春野君にメールをして、断りを入れた。
ベッドの上から動く事も叶わなかった。