「……びっくりするくらい何もないですね……。」






只今、冷蔵庫の中身を見て、目を…まんまるくさせている。










「…普段何を食べてらっしゃるんですか?」



「…ん~?外食するか、気が向けば何か作る。面倒くさい時は食わないかな。」




「…………!そのような不摂生だから頭に血が通わないのです。」




「(イラッ…)あーそう。悪かったな。」



「実はその体型も見かけ倒しなのでは?脱いだらぼよよんとした中性脂肪があらわになるんだわ…。まあ、なんてことでしょう…!」



……………。




「あーそう、んじゃー見れば?」




俺はTシャツに手をかけて。


腹の部分を…


めくり上げる。





「………!は、破廉恥…!」




彼女はそう言って…。


目を覆う。


けれど、ちゃっかり指の隙間から…視線を注いでいることくらいは…容易に想像できた。





「ヘンタ~イ。(ニヤリ)」


試しに罵ってみると、




「馬鹿にしないで下さい。男性の裸など大したことはないわ。」



目隠しを外して、ズカズカと近づいてくる。




「フムフム…、見事な腹筋でございますな。」




ペタペタと探るようにして触りまくり、


しまいには……、




「ピンポーン♪Sスイッチオフ☆」



臍を人指し指で押す始末。






以前の一歩なら…、間違ってもこんなことはできなかっただろう。


……動じなすぎ。




「………残念。今のでONだ。」





俺は仕返しとばかりに、彼女の腕を掴みとると。



もう一方の手で……


奴のTシャツをめくる。





くすぐってやろうと、脇腹にそっと手を伸ばして。


触れたか触れないかそのギリギリの所で……、




「……あ…」




彼女が小さく…



声を上げた。




「…………?」




思わず手を引っ込めたものの、


上目遣いでこちらを見つめるその熱い視線に……




衝動が…走る。





半信半疑と言った所か。



迷わずもう一度手を伸ばして…



その手を、服の中へと入れてみる。