えっ……? 瞬きをして、もう一度見つめると。 今度は、棺の横で、悲しい涙を流す彼女がいた。 そう……だよな。 見間違えただけだ。 恋人が、死んで。 笑う人間が、どこにいる。 とうとう、頭に虫がわいたか。 ────しかし。 この子は、第一発見者だ。 あの、指のような痕が脳裏に浮かぶ。 もしかして、彼女が…………