ワンマンライブが決まった途端、俺達は忙しくなった。


崇文は得意のパソコンで、チラシを作った。


しかも今回の騒動を逆手に取ろうとしたのか、


『WORLDS END ワンマンライブ

~ヤケドしても知らねぇぜ~』


なんてサブタイトルを勝手につけやがった。


もちろん全員に却下されて、作りなおして……。


メンバー全員すまし顔の、なかなか恥ずかしい写真を使う事になった。


深音は、ママにあげると言って、嬉しそうに笑っていた。


なんとか曲順や演出も決まり、その間に俺と渚は大学の卒業式なんかもあって。


家では、衣装を縫う深音のミシンの音が深夜までしていて。


あっという間に、ライブまであと1週間になってしまった。


もう、そこに春が来ていた事にも気づかないまま。