「走れ!」 「ケーキがつぶれちゃうから、無理!」 「あぁ、もう!」 荷物を左手に持ち、右手でジャケットを広げ、深音の頭を覆う。 しかし、雨の勢いは強くなるばかりで。 結局、車に着くまでに、二人共びしょ濡れになってしまった。