外は、凍えるように寒い。 煙草に火をつけ、紗江の家を後にした。 もう二度と、来る事はないだろう。 ありがとう。 何もない俺のそばにいてくれて。 どうか。 彼女のこの先に、本当の幸せがありますように。 自分勝手な俺は、ぼんやりとそんな事を思った。