菜の花の君へ

そこまで和紗の話を和音がきいたところで


「そこまで詳しく何を証拠に話しているんだ?」


「えっ・・・あっまあ・・・俺のネットワークというか・・・田所千夏のパソコンの中身を少しだけのぞいたというか・・・。」



「のぞいた?のっとったの間違いだろ。」


「ま、まぁ俺はそういう感じの天才だから。あはははは。」


「昨日、和音さんに電話かけてきたのは平永さんだったんですか。」



智香子が思わずそう質問すると、和紗は智香子の目の前に立ち、じっと智香子を見つめて



「平永さんじゃないでしょう。和紗って呼んでくれないと。
俺は君を禍から守るために、がんばっているんだからね。」



「べつに頼んでませんけど・・・。」



「はぁ・・・つれないよ。」


「それに、どうして和音さんへの言葉遣いがそんな偉そうになったんですか?」



「そりゃ、もう俺の主じゃないし、親友の弟でもと相棒って感じだね。
これは和音がそうしてほしいと言ったからだよ。」