最初に会ったときのチャラっとした感じがすっかりなくなり、真面目な口調で説明してくれた。
「ただ、こちらは学校が正式に認可はしてくれてなくてね。
僕とうちの家の人間で始めたことで、そこに賛同してくれた仲間だけが同好会みたいに集まってくれてるんだ。
だから、個人で保険には入ってもらわないといけないんだけど・・・。」
「いいですよ。こっちなら、私やります。
ずっと私を育ててくれたおじいちゃんに恩返しできそうな気がするもの。
保険は自分で入りますから、こちらに入会させてください。」
「じゃ、決まりだね。部長の湯河直弥です。よろしく・・・」
「坂下智香子です。よろしくお願いします。」
那美はどちらも苦手ということで、英会話部に入ったという。
幹部の学生に英語劇さながらに愛をささやかれてついYesと答えてしまったということだった。
大学の喫茶室でケーキを食べながら那美とたわいのない会話を楽しみ、智香子はいつものように、夕方スーパーで買い物をすませて帰宅した。
「さてと・・・今日は、特売だったひき肉を使って煮込みハンバーグだゾっと。」

