智香子は湯河に頭をぺこりとさげて歩きだそうとしていると、
「待って!さっきはごめん。
思い込みな発言は申し訳ない。謝罪するよ。」
「あ、危ないところを助けてもらったし、おあいこでいいです。
私も気にしませんから・・・。」
「じゃ、僕のもう1つのサークルに来てくれないかな。」
「もう1つ?」
「学校のサークルというわけではないんだけども、君にはそっちの方が気に入ってもらえるかと思う。
原則は平日オンリーな活動で、盆と正月の頃くらいだけ休日の活動もあるけど、午前中だけで終わる。
でも・・・もし、気分が暗くなって嫌だというなら本当に、あきらめるから。」
湯河にそこまでいわれて、智香子が見せてもらった資料は福祉活動と称した資料だった。
お年寄りや身寄りのない子どもたちの施設や障がい者の施設などでいっしょに遊んだり、作業をしたり、話をきいたりする活動だった。
「こういうのはやっぱり抵抗あるよね。
僕は、基本が体を動かすのが好きだから、こういうところにいくとほんとに力仕事でこきつかわれるだけなんだけどさ。
でも、みんなとても僕に感謝してくれてそれがとてもうれしくて。」

