喫茶店でコーヒーカップを片手にしている和音は、芸術家というよりもモデルのようだと智香子は思った。
しかも、初めての個展で舞い上がりそうになるのを押さえているかのようで、話し方もややハイテンションなのがうかがえた。
「そういえば、あの菜の花畑の絵の女性は今日は来てくれるの?」
「ん!?菜の花畑の女性って・・・今の智香のことかな?」
「えっ!!だから例の菜の花畑に私じゃない女性が・・・。」
「ああ、あれは智香の代わりにご近所の農家の奥さんにポーズだけつけてもらっていただけだから、展示している絵には今の智香がポーズをとってるよ。」
「う、うそっ!!いつの間に?」
「昨日までかかって描いていたけど。
何なら確かめてみるといい。
あの絵はもともと小さな智香を描いてレストランに飾ってもらってちょっとだけど有名になったからね、今の彼女はこうなってますよ~って言いたくて。」
「な、なんか恥ずかしいよぉ。
それをきいたら、私の方が緊張しちゃう・・・。
会場へ行かずに、このまま寮へ帰ろうかしら。」
「それはダメ!
1日きちんと僕のパートナーを務めてくれないと困る。
それに今、君に見てほしくて描きなおしたものだから。」
「えっ・・・。」
「さぁ、そろそろ開ける時間だ。行こうか。」
和音の個展は黒田や和紗の宣伝効果もあって初日から大賑わいだった。
夜になり、和音といっしょにスポンサーを引き受けた企業やデザインなどで仕事をを手掛ける会社の人たちが集まるパーティーに2人は参加した。
智香子はふだん着なれないドレス姿に戸惑いながらも、出会う人たちが「きれい」「かわいい」と言葉をかけてくれることで、まんざら悪い気はしなかった。
和音といっしょに挨拶にまわって少し疲れた智香子は中庭のベンチに座って休憩すると、いきなり声をかけられた。
「やっと会えたね。」
「えっ!?京田さん・・・!どうしてここに。」
「中務氏から招待状をもらったからね。
あの絵・・・菜の花と君の絵を見せてもらった。
僕は料理屋にある絵も知ってるから、びっくりしたよ。
あの小さな女の子は君だったんだね。」
「ええ・・・まぁ。私だってわかったらがっかりしたんじゃないですか?」
「いや、なんか納得したっていうか・・・ちょっと嫉妬したというか。」
「えっ?」
「べ、べつに深い意味はないって。
ただ・・・中務って人は、僕にとっては嫌な相手だから。
兄弟ともに・・・。」
「どうかしたんですか?」
「いや、そうだ!寮へ帰るとき送っていくよ。
今夜は研究室泊まりになりそうなんで、ちょうどいい。」
「学校に泊まるんですか?」
「うん。助手のときは早く返されたけど、准教授になると自分が主体でいろいろとやらなきゃいけないんでね。
あ~中務和音さんがうらやましいねぇ。
君に準備とか手伝ってもらえるなんて、いいなぁ。」
「京田さんのお手伝いをしていいなら、すぐにでも向かいますよ。」
「じゃあ・・・早速ついてきてもらおうかな・・・。」
しかも、初めての個展で舞い上がりそうになるのを押さえているかのようで、話し方もややハイテンションなのがうかがえた。
「そういえば、あの菜の花畑の絵の女性は今日は来てくれるの?」
「ん!?菜の花畑の女性って・・・今の智香のことかな?」
「えっ!!だから例の菜の花畑に私じゃない女性が・・・。」
「ああ、あれは智香の代わりにご近所の農家の奥さんにポーズだけつけてもらっていただけだから、展示している絵には今の智香がポーズをとってるよ。」
「う、うそっ!!いつの間に?」
「昨日までかかって描いていたけど。
何なら確かめてみるといい。
あの絵はもともと小さな智香を描いてレストランに飾ってもらってちょっとだけど有名になったからね、今の彼女はこうなってますよ~って言いたくて。」
「な、なんか恥ずかしいよぉ。
それをきいたら、私の方が緊張しちゃう・・・。
会場へ行かずに、このまま寮へ帰ろうかしら。」
「それはダメ!
1日きちんと僕のパートナーを務めてくれないと困る。
それに今、君に見てほしくて描きなおしたものだから。」
「えっ・・・。」
「さぁ、そろそろ開ける時間だ。行こうか。」
和音の個展は黒田や和紗の宣伝効果もあって初日から大賑わいだった。
夜になり、和音といっしょにスポンサーを引き受けた企業やデザインなどで仕事をを手掛ける会社の人たちが集まるパーティーに2人は参加した。
智香子はふだん着なれないドレス姿に戸惑いながらも、出会う人たちが「きれい」「かわいい」と言葉をかけてくれることで、まんざら悪い気はしなかった。
和音といっしょに挨拶にまわって少し疲れた智香子は中庭のベンチに座って休憩すると、いきなり声をかけられた。
「やっと会えたね。」
「えっ!?京田さん・・・!どうしてここに。」
「中務氏から招待状をもらったからね。
あの絵・・・菜の花と君の絵を見せてもらった。
僕は料理屋にある絵も知ってるから、びっくりしたよ。
あの小さな女の子は君だったんだね。」
「ええ・・・まぁ。私だってわかったらがっかりしたんじゃないですか?」
「いや、なんか納得したっていうか・・・ちょっと嫉妬したというか。」
「えっ?」
「べ、べつに深い意味はないって。
ただ・・・中務って人は、僕にとっては嫌な相手だから。
兄弟ともに・・・。」
「どうかしたんですか?」
「いや、そうだ!寮へ帰るとき送っていくよ。
今夜は研究室泊まりになりそうなんで、ちょうどいい。」
「学校に泊まるんですか?」
「うん。助手のときは早く返されたけど、准教授になると自分が主体でいろいろとやらなきゃいけないんでね。
あ~中務和音さんがうらやましいねぇ。
君に準備とか手伝ってもらえるなんて、いいなぁ。」
「京田さんのお手伝いをしていいなら、すぐにでも向かいますよ。」
「じゃあ・・・早速ついてきてもらおうかな・・・。」

