菜の花の君へ

そして、和音の個展の初日がやってきた。

智香子は早朝からマンションへ走っていったが和音はもう出かけた後だった。

あわてて、黒田画廊へ走っていくと和音と黒田が打ち合わせをしているようだった。


「おはようございます。」


「やあ、早いね。俺はチェックだけしたらこれから寝なおそうかと思ってるのに。」


「はぁ、黒田さんすごい余裕ですね。」


「あのなぁ・・・俺はここのオーナーだからな。
過去から個展なんて数多くこなしているわけだ。

和音だけが特別なわけはないだろう・・・。」



「そ、そういえば・・・。あははは・・・。ごめんなさい。」


「プッ。智香・・・もしかして、僕のマンションに寄ってからここへ来たの?」


「はい。早すぎるかと思ってたのに、和音さんもういないから、慌ててこっちへ・・・。」



「そっか。それはすまない・・・。
じつは僕も落ち着かなくて、昨日チェックしてたのに、来てしまった。
素人なのに盗まれでもしてないか・・・なんてね。

あ、智香は朝食終わった?
もしよかったら近くの喫茶店にでも行かないか。」



「はっ、そういえば、寮の朝ごはんパスしてきたんだった・・・。
行きます!」