「なにをどう訊けばいいかわからない。だから、そっちが言いたいことをまとめてくれ。

それで俺に、なんの協力を求めるんだ? なんでこんなことを教えてくれるんだ?」

その受け身の姿勢が、しかししっかりと、無意識だろうが『質問』という形になっている。

言葉のあやで生まれた偶然にせよ、上野は構わない。むしろ都合がいいとさえ思った。

「私、潔い男の子は好きですよ」

と、図書委員は微笑む。

その柔和な表情に、和幸は堅い硬い表情で、向き合っていた。