† 一章



自分の感覚を制御できないものを、なんと言うのだろうか。

ひどく程度の低い自分に嫌気が差す。

しかし、それでも、この衝動的なものを抑えられる自信は、ない。

どれだけ自分を蔑もうと、しかしその自己侮蔑さえも、どこかで淡く紅の喜悦へと変化してしまう。

自分は、歪んでいる。

そう、歪んでいるのだ。

老廃物でも濁り固まったように、くすんだ紅か黒に染まりつつある脳神経。

そこから伝達して震える脊髄から足の爪先。

喉元の焼けるような息苦しさも、懊悩する愚かしい自分も、しかしなんと誇らしいことか。