† 第二節



パトカーや救急車の赤いランプが、夜空に溶け込む二年校舎を妖しげに照らし出している。

闇の中、白を無理やり赤く照らされる校舎を、和幸はぼんやんりと眺めていた。

着ている制服は煤に汚れ、部分が破れてしまっている。

彼の視線の先、校舎の三階右端は――崩壊していた。

学校の周囲は、爆発事故だのなんだのと噂が広がり、人混みうるさい状態になっていた。

行き来する消防隊や救護隊、野次馬を制する警察の声が、きゃんきゃんと遠吠えのようにやかましい。

窓のサッシ、コンクリートに埋め込まれている鉄骨、雨どいが、外へ向けてねじくれている。

まるで内側から強引に、なにか強大なものが飛び出したように――。