「あっ、魁一君~待ってよ~!!」 歩き出した彼を白鳥さんが慌てて追いかける。 他の女の子達が桐山魁一のそばに寄らないように目で威嚇(いかく)しながら。 「朝からあのテンション……疲れないのかね」 「……疲れない……みたいだね」 呆ながらそう言う絢子につられて苦笑いを浮かべたその時。 「……――莉奈」 「へっ?」 何?今……あたしのことを莉奈って……――。 いつの間にか目の前に立っていた彼が、あたしの肩をガシッと掴んだ。