「牡丹ちゃん、泣いてるの?」 「...泣いてないです」 持っていた箸をテーブルの上におき両手で顔を隠した。 「獅子...牡丹ちゃん泣かすなよ」 「泣いて無いです...すみません、顔洗う場所教えて下さい」 泣き顔を見られたくなかった。 「後ろの扉を開けると左の方にバスルームがあるから行っておいでよ」 私は、コクリと頷き椅子から立ち上がるとバスルームへ足を進めた――...。