「どういう意味でしょう?」
「…あたしは…貰ってばっかりだって思って。」
「そうですか?」
「そうだよ!アップルシナモンクッキーもアップルパイも、この前のモンブランもパウンドケーキも。それに、…今、あたしが教室でみんなの前で食べたいだけ食べれるようになったのも、洸がいたから…だし。」
顔を上げることができない。頬が熱い。
「そう言ってもらえると嬉しいです。ただ、最近は惜しいことをしたなと思わなくもないんです。」
「…惜しいこと…?」
「はい。あんなに可愛い雪姫さんを僕だけのものにしておきたかったのに。
…今ではたくさんの人が、雪姫さんの可愛い顔を知ってしまっています。」
余計に顔が上げられなくなった。さらに俯くと、洸の左手があたしの右頬に触れ、ゆっくりと顔を上げるように仕向けられる。視線を合わせることはさすがにできない。
「でも、やっぱり笑ってほしいからこれで良かったんだって思うことにしています。
それに今、この赤い顔をした雪姫さんの表情は僕のものです。僕しか見ていない。…雪姫さんは返してくれています。たくさんの表情と、恋心を、僕に。」
〝恋心〟という言葉がやけに耳の中で反響する。その言葉に反応してパッと目を上げると、洸の視線にぶつかった。洸は微笑んでいる。いつもよりもずっと、優しく。
「好きですよ、雪姫さんのことが。
笑った顔も、少し拗ねた顔も、何かを真剣に考えてる時の顔も、まだ泣いたところは見たことがないですが、きっとどんな表情の雪姫さんも好きだと思います。
そしてやっぱり、僕の隣にいてくれる雪姫さんが好きです。心地良いと感じます。」
突然の〝好き〟という言葉に高鳴る胸がもどかしい。…自分にもこんな〝女の子〟みたいな感情があったことも不思議だし、悩んでいたことすらバカらしくなってきた。
「…あたしは…貰ってばっかりだって思って。」
「そうですか?」
「そうだよ!アップルシナモンクッキーもアップルパイも、この前のモンブランもパウンドケーキも。それに、…今、あたしが教室でみんなの前で食べたいだけ食べれるようになったのも、洸がいたから…だし。」
顔を上げることができない。頬が熱い。
「そう言ってもらえると嬉しいです。ただ、最近は惜しいことをしたなと思わなくもないんです。」
「…惜しいこと…?」
「はい。あんなに可愛い雪姫さんを僕だけのものにしておきたかったのに。
…今ではたくさんの人が、雪姫さんの可愛い顔を知ってしまっています。」
余計に顔が上げられなくなった。さらに俯くと、洸の左手があたしの右頬に触れ、ゆっくりと顔を上げるように仕向けられる。視線を合わせることはさすがにできない。
「でも、やっぱり笑ってほしいからこれで良かったんだって思うことにしています。
それに今、この赤い顔をした雪姫さんの表情は僕のものです。僕しか見ていない。…雪姫さんは返してくれています。たくさんの表情と、恋心を、僕に。」
〝恋心〟という言葉がやけに耳の中で反響する。その言葉に反応してパッと目を上げると、洸の視線にぶつかった。洸は微笑んでいる。いつもよりもずっと、優しく。
「好きですよ、雪姫さんのことが。
笑った顔も、少し拗ねた顔も、何かを真剣に考えてる時の顔も、まだ泣いたところは見たことがないですが、きっとどんな表情の雪姫さんも好きだと思います。
そしてやっぱり、僕の隣にいてくれる雪姫さんが好きです。心地良いと感じます。」
突然の〝好き〟という言葉に高鳴る胸がもどかしい。…自分にもこんな〝女の子〟みたいな感情があったことも不思議だし、悩んでいたことすらバカらしくなってきた。



