お姫様の作り方

本当にすぐに公園に着いた。


「座りましょう。」


そう言うと洸の手が自然に離れた。…ちょっとだけ冷たくなって、あたしの手は少し行き場を失ってどうしていいか分からなくなる。


いつもの場所での距離よりもずっと近くに洸が腰を下ろした。
あたしは太股の上に両手をきゅっと握ったまま置いた。その両手の上に、洸の右手が乗った。


「…な、なに…?」

「あ、いえ。寒いのかなと思いまして。」

「寒くないって言ったら嘘だけど…。」

「じゃあこのままでもいいですか?」

「…どっちでもいい。」


…心地良い、なんて言えない。素直じゃないのは分かっているけれど、そのままでいてなんて言えるはずがないのはあたしが一番よく分かっている。


「…雪姫さんは、たくさん食べる自分がお嫌いなんですか?」

「…嫌いじゃ…ない。だって、自分が自分を嫌いになったら終わりでしょ?」

「そうですね。僕もそう思います。
でも、他人にはそういう自分を見せたくないんですよね。…どうしてか、訊いてもいいですか?」

「たくさん食べるあたしは…みんなのイメージと違う。」

「イメージ…ですか?」

「うん…。…勝手に変なイメージを持ってて、あたしがたくさん食べるってことを知ってイメージ壊されたとか…本心ではこの人何言ってんのって思ってるよ。
でも、イメージ壊された、イメージと違うって言葉を遠巻きに言われて、だから何って言えるほど…多分、あたしは強くない。…はっきりとこれが絶対だとは言えないけど、でも本心には多分近い。あたしが人前で食べたくないのは…多分こういうことなんだと思う。」


昼休みに眠っていた時もぐるぐると頭の中を渦巻いていた想い。
言葉にするならばこれがきっと、一番近い。