お姫様の作り方

「ちょっと灰吹くんに構われたからって調子に乗るんじゃないわよ!」

「そこで頭冷やせばいいんじゃない?」

「てゆーか、可愛くもないくせに何で灰吹くんと喋ってるわけ?」

「ほっとこほっとこー。てか行こー。」

「あけっ…開けてっ!」

「誰が開けるわけ?頭冷やせって言ってんでしょ?」


あたしの声はこの人たちには全然届いていない。


「…なにこれ、靴?あ、これを灰吹くんに拾ってもらってたんだっけ?」

「そうらしいよ噂じゃ。」

「こんなどうでもいいもの、わざわざ拾ってもらうとか図々しいんだけど。」

「捨てちゃおー。」

「やめっ…やめて!」

「だからーあんたの話とか聞いてないから。」

「あははーまじうけるんですけどなんなのこいつ。」


…届かない、言葉。またお守りを落とすなんて、あたしは本当の本当にマヌケなのかもしれない。
せっかく、優馬くんが…。
って待って。さっきこの人たち…灰吹って言った?


「灰吹くんも優しいよねー。こんな汚いもの拾って、しかもちゃんと返してあげるとか。」

「のくせこいつ、それまた落とすとか最低じゃん。いらないってことだよね?」


あたしの鈍い頭でも繋がる一つの事実。
優馬くんが…あの、灰吹…くん。