お姫様の作り方

『なーんで名前訊かないかなぁ…。そういうとこほんっと抜けてる。』

「…そ、それは、確かにまずかったなって思うけど。
あ、でも同じ学年だったし、どこかで会うかも!」

『同じ学年の灰吹優馬には11月になった今でも会えてないのに?』

「うっ…。」


さすが紫音。痛いところを突いてくる。


『でもまぁ、会えたらいいね、また。』

「う、うん…。」


…また、会えたら。もし、また会えたら。
何を言おう。どんな顔をしよう。…優馬くんは一体どんな顔をして、どんなことを言ってくれるんだろう?
そんなことをぼんやりと少し考えただけで、頬がほんのりと熱い。


『…舞?』

「へっ?あ、な、なんでもない!大丈夫!」

『とりあえず、明日提出のプリントは忘れないようにしなよ?さすがに2日連続は牧島先生も怒るから。』

「もうちゃんと入れたよ!大丈夫!ファイルも間違えてないし。」

『ならいいけど。じゃあ明日ね、舞。』

「うん!また明日。」


ピッとボタンを押して電話を切った。そのままベットに横になる。
…ドクンドクンと心臓の鳴る音を、手で確かめる。


「あ、チャーム!」


受け取ったチャームは制服のポケットに入れた。そこから出して、ぎゅっと握りしめながら横になる。


「…見つかって良かったぁ…。」


ついでに言えば、…見つけてくれたのが優馬くんで、…良かった。