お姫様の作り方

「か、顔は綺麗なのに、…口を開くと普通の同級生みたいだなって…。」


さすがに王子様みたいとは言えなくて(この年にもなって王子様なんて心で思っているだけでも多分結構恥ずかしい)多少ぼかしたけれど、でも嘘は言っていない。


「…失礼だな、普通に。」


え、ど、どうしよう。結構怒って…


「でも、ま、否定しねーけど。普通の同級生だろ。顔も並み。」

「並み…ではないと思うけど。あ、でも灰吹くんだったっけかな?イケメンがいるって。」

「え…?」

「えっと…でもこの学年すごいね、イケメンがたくさん。まだ灰吹くんを見たことはない…けど、今日の朝もすごかった。女の子たちの勢いがすごくて、ぶつかった拍子にカバンぶちまけちゃって。でガラスの靴、落としちゃったんだと思うんだけど…。」

「……。」


彼は少し難しそうな顔をしている。…あたし、何か言っちゃったんだろうか?やっぱり失礼だったかな?ってかだよね!あ、謝らないと!


「あのー…あたし、やっぱり失礼なことを…。」

「失礼っちゃ失礼だけど、でもいーや、別に。お前、ちょっと面白い。」

「お、面白い?」

「つーか何だって?それ、ガラスの靴なんか?」


あたしの掌にあるチャームを指差して、彼はそう訊ねた。


「えっと、うん。モチーフがガラスの靴なの。」

「靴ってことは分かったけど、ガラスのってとこまでは分かんなかったな、それ。」

「だよね。多分、言われてみないと分からないよ。だって実際は全然ガラスでできてなんかないし。
…でも、これ、あたしが長い間大事にしてきたもので、だから失くしちゃって本当にへこんでたんだけど、あなたが拾ってくれて、しかもこうして捨てないでいてくれて本当に嬉しかった!ありがとう。」


本当に嬉しかった。今、チャームがここにあること。
あと、あまりにも好みな顔に出会えたことも、結構ハッピー。