お姫様の作り方

* * *


そして放課後。お気に入りのガラスの靴のチャームを失くしたあたしのテンションは一日中上がらなかった。(数学のプリントを忘れたこともあたしのテンションをさらに下げた。)


「あたし、今日は塾だから付き合えない。」

「あ、うん!大丈夫だよ。塾頑張ってね。」

「見つかるといいね。ガラスの靴。」

「うん。頑張る。…掃除も。」


紫音を教室で見送って、ふぅと溜め息をつく。
どこにあるんだろう。昼休みにちょっとだけ玄関を探したけど、見当たらなかった。落し物が届けてあるボックスも覗いたけど、そこにもなかった。
…もしかして、捨てられちゃった?


「どうしよう…。」


あれはあたしが小さな雑貨屋さんで一目惚れして買ったもので、しかもそれが最後の1個。それ以来再入荷されていないところを見ると、もう廃盤になってしまったものなのだろう。だから、買い直せば済むということでもない。


「…ちょっと汚れてたし、捨てられちゃった…のかな?」


悪い考えがよぎって、ぶんぶんと頭を振った。
こんな時こそそんな風に考えてはいけない。
…シンデレラはどんな時でも諦めたりしない。自分の夢を信じて、気高い心を持ち続けた。そんなシンデレラがどんな物語のお姫様より輝いて見えたから、あたしはシンデレラを好きになった。


「掃除しながら探す!うん!」


あたしはまず、職員室に向かう。