「…洸。」
「食べ…終わりましたか?」
声が微妙に震えたのが分かった。それはあたしもだったけれど、洸も、少し。
「あげる。半分。」
食べかけの半分だからそんなに量は多くない。洸が食べた方を洸に差し出した。
「ありがとうございます。」
ふにゃりと、あたしが今まで見た顔の中で一番あどけなく笑って、あたしからパンを受け取った。
「…いただきます。」
意外と大きな口を開けてばくりと一口で食べきってしまった。さっき一口食べられた時もそうだったけれど、顔に似合わず大きな口を開けてそれこそ本当に美味しそうに食べる。
「…雪姫さんは食べないのですか?」
「たっ、食べるし!」
見惚れていたわけではない、断じて、決して。ただ、少し驚いただけだ。
「名前、呼んでくださいましたね。」
「…呼べって言われたからね。」
「ありがとうございます。すごく嬉しいです、雪姫さん。」
にっこりと笑うその口元に、少しだけピーナッツクリームがついている。多分、洸は気付いていない。
あたしはそっと、その口元に指を伸ばした。
「っ…!ゆ、…ゆきさ…。」
その口元にあたしの指が触れたその瞬間、視界の真ん中にいた洸の白い肌が赤く染まった。
「食べ…終わりましたか?」
声が微妙に震えたのが分かった。それはあたしもだったけれど、洸も、少し。
「あげる。半分。」
食べかけの半分だからそんなに量は多くない。洸が食べた方を洸に差し出した。
「ありがとうございます。」
ふにゃりと、あたしが今まで見た顔の中で一番あどけなく笑って、あたしからパンを受け取った。
「…いただきます。」
意外と大きな口を開けてばくりと一口で食べきってしまった。さっき一口食べられた時もそうだったけれど、顔に似合わず大きな口を開けてそれこそ本当に美味しそうに食べる。
「…雪姫さんは食べないのですか?」
「たっ、食べるし!」
見惚れていたわけではない、断じて、決して。ただ、少し驚いただけだ。
「名前、呼んでくださいましたね。」
「…呼べって言われたからね。」
「ありがとうございます。すごく嬉しいです、雪姫さん。」
にっこりと笑うその口元に、少しだけピーナッツクリームがついている。多分、洸は気付いていない。
あたしはそっと、その口元に指を伸ばした。
「っ…!ゆ、…ゆきさ…。」
その口元にあたしの指が触れたその瞬間、視界の真ん中にいた洸の白い肌が赤く染まった。



