「会いたい…。」
思わず口をついて出た言葉は真実だ。
…会いたい。屈託のないあの笑顔に。聴きたい。自由に伸びていくあの声を。
気付けば携帯電話を取り出して、手帳に忍ばせてあったメモを広げる。タッチパネルを操作する指に迷いはなかった。
プルルルルという音が3度鳴ったその瞬間、機械音が声に変わった。
『もしもーし。』
「っ…。」
声が詰まる。言いたいことは決まっているのに、いざその声を耳にしてしまうと声が出ない。泣き事を言おうとしている自分に嫌気がさす。
『…茉莉花?』
突然呼ばれた名前に心臓が一瞬ぎゅっと掴まれたかのように苦しくなった。ドクドクとうるさく鳴る胸を服の上から押さえつける。
『茉莉花だろ。返事しろー。』
「…なんで、…分かるの。」
『一瞬声聞こえたし。一度聴いた音は忘れねぇよ、俺。』
「声なんて出してない。」
『でも俺には聞こえた。どうした?何かあったから電話してきたんだろ?』
「…今、暇なの…?」
『んーまぁ暇っちゃ暇だな。暇じゃねーっちゃ暇じゃねーよ。』
「どういう意味?」
『また路上で歌おうかと思って準備してたんだ。でも別に行かなくてもいいし。
俺に電話してきたってことはお前に何かあったんだろ?声も…あんま元気ねぇし。」
声なんていつもと同じように出しているつもりだった。それなのに由貴には違って聞こえるなんておかしい。一体どんな耳をしているのか、私には分からない。
だけど、…その耳にそう聞こえたのならきっと私の声に元気はないのだろう。
「行きたく…ないっ…。」
思わず声が涙で震えた。
思わず口をついて出た言葉は真実だ。
…会いたい。屈託のないあの笑顔に。聴きたい。自由に伸びていくあの声を。
気付けば携帯電話を取り出して、手帳に忍ばせてあったメモを広げる。タッチパネルを操作する指に迷いはなかった。
プルルルルという音が3度鳴ったその瞬間、機械音が声に変わった。
『もしもーし。』
「っ…。」
声が詰まる。言いたいことは決まっているのに、いざその声を耳にしてしまうと声が出ない。泣き事を言おうとしている自分に嫌気がさす。
『…茉莉花?』
突然呼ばれた名前に心臓が一瞬ぎゅっと掴まれたかのように苦しくなった。ドクドクとうるさく鳴る胸を服の上から押さえつける。
『茉莉花だろ。返事しろー。』
「…なんで、…分かるの。」
『一瞬声聞こえたし。一度聴いた音は忘れねぇよ、俺。』
「声なんて出してない。」
『でも俺には聞こえた。どうした?何かあったから電話してきたんだろ?』
「…今、暇なの…?」
『んーまぁ暇っちゃ暇だな。暇じゃねーっちゃ暇じゃねーよ。』
「どういう意味?」
『また路上で歌おうかと思って準備してたんだ。でも別に行かなくてもいいし。
俺に電話してきたってことはお前に何かあったんだろ?声も…あんま元気ねぇし。」
声なんていつもと同じように出しているつもりだった。それなのに由貴には違って聞こえるなんておかしい。一体どんな耳をしているのか、私には分からない。
だけど、…その耳にそう聞こえたのならきっと私の声に元気はないのだろう。
「行きたく…ないっ…。」
思わず声が涙で震えた。



